サンパウロのドブ川がきれいな河川に変身2021年04月12日 11:03

 ブラジルメディアによると、サンパウロ市のピニェイロス川汚染除去計画を推進している国営環境機構(エマエ)の技術者と生物学者は11日、同川で魚の存在を確認し、どのように移動してきたかの調査を始めました。ピニェイロス川で確認された魚は、海で個別に泳いでいたのが確認されています。

 川の堤でサイクリングを愉しむ人が、ここで魚を捕まえ、画像をソーシャルネットワークに投稿、話題になっていました。画像がサンパウロ州政府からエマエに送られ、エマエが現場に技術者を派遣、サンパウロ市のピニェイロス川に魚がいると確認しました。現在、種の特定を急いでいます。

 川の浄化プロジェクトに取り組んでいるエマエは、「ピニェイロス川に魚の群れが戻ってきた。この魚の群れは実に美しい」と感動を露わにしています。これまでピニェイロス川は、魚も住めない汚染河川と言われていました。サンパウロ州衛生公社は「下水処理が進み、きれいな川に戻った」と説明しています。

 サンパウロ州のドリア知事は11日、ソーシャルネットワークに投稿、「これは汚染除去プロジェクトの成果だ」と魚の確認を喜びました。州政府は、「都市河川なのできれいになっても飲用には適さないが、汚染除去が完了すると、臭気が無くなり、水生生物も戻り、環境と景観の回復を通じて人も住むようになる」と話しています。