ブラジル望遠

　ブラジルのメディアによると、ボルソナロ前大統領の政治権力の乱用とメディアの悪用で争っていた裁判で、高等選挙裁判所は30日、ボルソナロ氏に有罪を言い渡し、2030年までの8年間、選挙への出馬資格を剥奪しました。この裁判は刑事事件ではないため、前大統領が逮捕されることはありません。

　ボルソナロ氏は有罪判決を受けましたが、高等選挙裁判所や最高裁判所へ上訴の道が残されています。同氏の弁護団はすでに、有罪判決を不服として上告する意向を示しています。弁護側は不明瞭な点や矛盾点を指摘し高等選挙裁判所へ上訴し、不適格とする判断を覆し、最高裁に再度上告するための地ならしをすると見られています。

　最高裁に上告された場合、高等選挙裁判所で裁判を担当した裁判官は上告審には参加しませんが、最高裁本会議での議決には参加します。最高裁への上告は、憲法問題に関わるテーマであることが必要になります。問題になっている「クーデター草案 」が、正規のものであったか否かが争点になると思われます。