大統領がコロナ対策で賞賛した都市が医療崩壊2021年04月07日 11:16

 ブラジルのメディアによると、サンタカタリーナ州西部のシャペコ市(サンパウロ市から720㎞、人口224,000人)は現在、7日に訪問予定のボルソナロ大統領を迎える準備に追われています。

 同市は大統領が「コロナウイルスと良く戦っている」と賞賛した町ですが、実際はこれまでに535人が死亡し、6日には集中治療室(ICU)使用率が97%に達し、入院の順番待ちで死亡する人も多く、患者を他州へ移送しているほどです。同市は、全国平均よりも高い死亡率を示しています。

 専門家は、「医療は崩壊しており、これを改善するには、厳しい規制を実施するしかない」と指摘しています。全国平均よりも高いる死亡率で同市は、重要ではない部署を閉鎖し、営業していたレストランや市場などは営業時間を短縮、顧客の入場制限を実施しています。夜間の市民の外出も制限され、教会、公園、広場は閉鎖しています。隔離する患者の発見に力を入れ、診断検査数を増やしています。

 ボルソナロ大統領は5日行ったスピーチで、コロナ対策がうまくいっているシャペコ市の視察旅行に触れ、「コロナウイルスに対する早期治療と、自由に治療する医師の努力だ」と称賛していました。しかし、専門家は、「ここ数週間でウイルスの拡散を遅らせるのに役立ったのは、市が行った規制措置」と指摘しています。