ルーラ大統領が中銀の高金利策を再び批判2023年05月02日 12:12

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領は1日、サンパウロのメーデー会場で、中央銀行が経済の基本金利であるSelic(政策)金利を13.75%に維持していることを再び批判しました。大統領は「現在の経済状況の責任の一端はこの高金利にある」と指摘、批判したものです。中銀には政治家の介入は出来ず、大統領は批判するだけしか方法がありません。

 ルーラ大統領は会場でのスピーチで、「金利がインフレをコントロールするのではなく、金利がこの国の失業率をコントロールするような国には、もはや住むことはできない」と述べ、「金利は、中央銀行が国の金融政策を調整するための手段であり、金利が上昇すると融資が割高になり、経済が冷え込むため、インフレ抑制につながる。が、結果として所得や雇用の拡大が抑制される」と指摘しました。

 ここ数カ月ルーラ大統領は、中央銀行の高金利策に繰り返し苦言を呈してきました。今回の批判もその流れで行われました。この批判にカンポス・ネト中銀総裁は「インフレが高止まりしている以上、高金利を維持する必要がある」と説明します。そして総裁は、「金利が高いのは、現在の債務残高が新興国の水準としては高いと考えられるからだ」と述べています。

 中銀金融政策委員会(Copom)は前回、経済活動の減速について「目標値を上回るインフレが長期化しており、インフレ率を目標値に収束させるための必要な措置である」との見解を示し、その理由を「過剰需要(経済における資源の増加)によるインフレ要因が財からサービス部門に移行している」と指摘しています。