鳥インフル感染野鳥発見、感染防止に必死2023年05月30日 19:42

 ブラジルのメディアによると、世界的な流行を見せている鳥インフルエンザが15日、ブラジルで最初の感染野鳥が発見されました。渡り鳥13羽が感染していたもので、世界第2位の生産国であるブラジル(1位は米国)は養鶏場への感染を防ごうと最大の防止策が実施されています。。

 農務省は鳥インフルエンザの発見で、6か月間動物衛生上の非常事態を宣言しました。農場、企業団体、農務省、州農業機関は鳥インフルがブラジルに到着するずっと前から、長年にわたって鳥インフルエンザの予防に取り組んできました。たとえば、これらの団体のサイトには、養鶏農家向けの小冊子や一連のガイドラインが記載されています。

 公的機関は緊急時対応計画を作成し、国内の状況を監視しています。こうした厳しい感染防止策で、ブラジルは今日まで鶏への鳥インフルエンザの感染はありませんでした。それが感染した野鳥の飛来で、養鶏場への感染を必死に食い止めようと努力しているところです。

 ブラジル動物タンパク質協会 のリカルド・サンティン会長は、「業界は1994 年に国家家禽衛生プログラムで確立された衛生と管理の厳格な規則に基づき、長年にわたって鳥インフル感染防止に取り組んできた」と強調、「鳥用ワクチンも開発されているが、100%有効とは言えない。それに輸入国はワクチン接種の鶏を受け入れない。感染したウイルスか、ワクチンのウイルスかを区別できないからだ」と問題点を指摘します。

 世界保健機関によると、2005年から2023年までにアフリカ、アジア太平洋、南北アメリカ、ヨーロッパ、中東の国々で4億4,800万羽の鳥が屠殺され、3,100万羽が鳥インフルエンザで死亡しています。鳥インフルは人に感染することも確認されており、世界で874人が感染しています。死亡率は高いとされていますが、人から人への感染は確認されていません。

 保健省によると、ブラジルではエスピリトサントとリオデジャネイロ両州で合計42人が病気の鳥と接触し、38人は陰性、残り4人は検査中です。