ブラジル望遠

　ブラジルのメディアによると、最高裁は4日、反民主主義的行為を助長したとして昨年4月に同裁判所で有罪判決を受けたダニエル・シルベイラ元議員に対し、「ボルソナロ前大統領が与えた刑の恩赦を覆す判事が多数になった」と述べました。裁判は中断され、10日、再開される予定です。

　ボルソナロ前大統領がダニエル・シルベイラ元議員に行った恩赦は、実刑判決の適用と罰金の支払いを猶予するもので、最高裁はこの恩赦が憲法に沿ったものかどうかの検討に入ります。

　多くの判事は、「恩赦は、1988年の連邦憲法に照らして、憲法条文が課す制限を遵守する観点から、明らかに許されないことが証明されている。恩赦は被告に違法な利益を与えた」と主張しています。ある判事は「異例なことに、最高裁の有罪判決の翌日に恩赦令を出し、これは裁判所に対する侮辱ともいえる」と述べています。

　一方、恩赦を支持する判事は、「刑が過大であるという声があり、恩赦は、状況的、瞬間的であっても、なだめる効果もあった。権力の乱用という疑惑について、この裁判所では審議できない」と主張しています。そして、「司法が、政令が法的要件を満たしているかどうかを分析することはできるが、その是非を議論することはできない」としています。