ルーラ大統領、大衆車を安くする意向2023年05月25日 19:49

 ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領は25日、国民が大衆車を利用しやすくすると発表しました。具体的な政策は検討中で、勤続年数保証基金の一部(10%または15%)を引き出し、車の購入に当てるのを可能にする、ここ数十年の大衆車と同様の価格水準で車を提供する、減税すといったことが考えられています。

 政策を具体化するための調査では、大統領のほか自動車関連企業の代表者、アルキミン副大統領も参加して行われ、政策立案の会議には政治家の他に自動車産業の労働者やメーカーの代表も加わって行われます。ルーラ大統領は「中流階級向けの9万レアル(大衆車は約7万レアル)の車は人気がない」と述べており、大統領の意向を汲み取り政府と自動車業界は議論を重ねています。

 ハダッド財務相は「人気車を安くするいくつかの方法がある」と述べ、現在研究中だと言います。ただ、自動車メーカーは「大衆車の利益率はほとんどなく、価格引き下げは困難」と強調しています。また、自動車の減税についてもすでに実施済みで、これも実現性は薄いと見られ、窮余の策として勤続年数保証基金の活用が考えられていますが、これにはマリーニョ労働大臣が反対しています。

 勤続年数保証基金の使用や減税措置は、政府内で各大臣の同意が得られれば、暫定的な措置として実施される可能性があります。