安倍内閣打倒で悩ましい問題2017年09月26日 16:36

 10月総選挙で競い合う政党がどうなるのか、混沌としてきた。これまで野党4党が協力態勢を築きつつあったが、新たに小池都知事が「希望の党」を立ち上げ、野党共闘に加わるのか、独自の戦いで三つ巴戦になるのか、あるいは自公民と政策協定を結び与党の一角を担う動きに出るのか、まだはっきりとしない。

 希望の党が自民党と同じ保守右派であるのは、同党に集まってきた顔ぶれを見ると疑いようがない。極右と見られいた「心」まで合流してきたのだから、はっきり言って憲法改正派である。小池知事は「心が合流することで、保守派の取り込みが容易になった」と歓迎しているが、護憲派にとっては穏やかではない。仮に安倍内閣が倒れても、改憲勢力が勢いを持ったままなら、選挙戦に勝利したとは言えないからだ。

 そうしたことが見えていても、とりあえずは目先の安倍内閣打倒のために目をつぶり、希望の党に対しても野党協力を呼びかけるべきかどうか、既成の野党勢力には悩ましいところだ。

 それでは三つ巴になった場合、どこが票を食われるか。都議選の結果を見ると自民も大きく食われたが、民進も激減した。ところが総選挙は希望の党には不利な条件も少なくない。全国が戦場であり、都議選で協力した公明党もいず、地方組織も十分ではない。要するに風頼みするしかない。

 となると、首都圏では強みを発揮しても、地方に行けば小池知事の威力はそれほどではないとも言える。野党4党でも1人区では十分に戦えるのではないか。ただ、安倍内閣を打倒するほどの打撃は与えられないだろう。

 ここらのヨミが難しいところで、主義主張にはいったん目をつむり野党は挙って安倍内閣潰しで協力すべきかどうか、そこが考えどころである。この問題は、希望の党が自民党に対しどういったスタンスを取るのかを見極めてから、ということになるだろう。野党の動きに注目したい。