手玉に取られる前原代表2017年10月01日 11:26

 やっぱりそうか、という動きがはっきりしてきた。民進党を潰し、希望の党への民進議員の移籍のことである。前原民進党代表が小池希望の党代表にしてやられたのか、あるいは両者の示し合わせによるものなのかははっきりしないが、小池氏が「民進からの加入希望者は選別する」と宣言したことで、民進のリベラル派を潰し、自民、希望による巨大保守党立ち上げるという構図が見てきたのだ。

 しかも小池氏は次の総選挙には出ないと明言しているし、政権交代の選挙と言いながら、旗振り役の頭目が不在では、誰を首班にするために投票をすればいいのか、有権者には分からない。このままでは自民、希望ともに過半数をとれない可能性もある。そのとき首班指名で安倍、小池両氏が手を結ぶことも十分に考えられる。行政私物化の安倍と独裁型政治家の小池両氏がわが国の政治を牛耳る悪夢が現実になるのだ。

 この一連の流れから見えてくるのは、希望の党は安倍内閣打倒、政権交代の意図は全くないのではないか、ということである。政権奪取のための候補者選別を今頃しているようでは、政権交代に必要な立候補者の確保もままならないだろう。現に希望の関係者もNHKの番組で「今回は政権は取れない」と選挙の前から明言しているのだ。

 それでは希望の党がしゃしゃり出てきた理由は那辺にあるのか。考えられるのは希望の党の政治資金稼ぎである。公認申請者には100万円の寄付を要求し、立候補のための供託金600万円(比例も含む)は自己負担と言われる。これは民進を辞め公認を申請する議員も同じで、こちらは寄付金200万円、供託金300万円の計500万円を振り込むよう要求される、という情報もある。公認料は党が出すもので、立候補者に要求する政党など聞いたことがない。桝添元都知事も、「そんなばかげた話はない」と語っている。

 人気のある今なら、こうした資金集めも有効というのが希望の党なのだろう。詐欺まがいの資金集めでは立候補希望者も沢山集まるわけもなく、候補者が少なくては過半数をとれるわけもない。選挙に出ない小池氏は居心地のいい都知事の椅子と報酬を捨てるつもりはなく、リベルラル潰しと資金稼ぎに躍起になっているとしか思えない。民進の前原氏は、完全に踊らされているのではないか。

 おそらくこれだけ大胆なことを小池氏がやれるのは、絵を描く黒幕が居るのだろう。彼女を操るのはかつて関係していた日本会議かもしれないし、彼女のブレーンとも言える秘書かもしれない。つまり小池知事は、操り人形と見るのが正しいのかもしれない。前原氏はそれにうまく乗せられたのではないか。以上は取材して得たものではなく、報道からの類推である。

 希望は維新の会と提携した。両党は政策を私物化することで批判される竹中平蔵東洋大学教授の仲介(朝日新聞)だそうで、この一点だけでも希望の党の正体、小池都知事の真の姿が見えてくるようだ。