コロナ重症者に副腎皮質ステロイド剤が有効2020年09月03日 11:29

 ブラジルのメディアが2日付で、副腎皮質ステロイド剤が重度の新型コロナ感染者の回復を速める、という研究結果を報じています。世界保健機関(WHO)も2日、副腎皮質ステロイドの投与がコロナの重症者の死亡率を低下させるとして、「重症患者の治療にコルチコステロイド使用を推奨」しています。

 コルチコステロイドは、抗炎症剤および免疫抑制剤として使用される薬物で、ブラジルの研究に基づいて2日の科学ジャーナル誌に掲載されました。記事によると、コルチコステロイドを受けたコロナの重症患者は受けなかった患者よりも回復が早かった、としています。研究者は「安価なコルチコステロイドがコロナ禍の死亡者を減らす最初の薬になるかも」と指摘しています。

 ステロイド剤の研究は、国立研究所グループのイニシアチブで実施されています。もともとは英国のオックスフォード大学が行っていた研究で、同大学の 6月16日付発表によると、同薬剤の使用で挿管された患者の死亡率が3分の1に減少したとしています。WHOは、「低コストで世界中で入手可能」ということで、使用を勧めています。

 ただ、同薬剤は抗炎症剤および免疫抑制剤としての働きのため、軽度のコロナ患者や予防薬として使用はできません。また、WHOも「コロナ以外の患者には使用できない」と警告しています。