安倍内閣はナゼ続く?2018年05月21日 12:35

 これだけの不祥事が頻発する中で、安倍政権の支持率は一向に下がる気配が見えない。直近の読売新聞世論調査によると、支持率は下げ止まり、逆に上昇傾向さえ見せている。頭がクラクラするような事態だ。

 自民党のコアな支持者が30%近くはいるといわれるし、野党は四分五裂で自民党に代わる政党が見いだせない。結果的には自民党内閣を支持せざるを得ないという消極的な支持が、世論調査に表れているというべきだろう。いくら安倍内閣に信頼が置けなくても、今の野党の体たらくでは、これ以上支持率が下がることはないかも知れない。

 問題は、国民の方を向き、しっかりとした政策を持った野党が出現しない限り、安倍内閣の行政私物化、天を恐れぬ放言、大企業を主とした軍事産業の喜ぶ政策が続くということだ。今必要なのは、しっかりした野党の出現である。

 ある学者が今の日本について、「現在は、天皇に替わってアメリカが日本の最高権威になっている」といった趣旨の論文を書いていた。戦後、アメリカは巧妙に天皇を利用して占領施策を実施し、時代の流れと共に天皇から権威を奪い取った、というのである。

 自民党は日本独自の政策を放棄し、アメリカに追随することで日本を維持してきた。アメリカにはあらゆる面で逆らわず、従順であれば、長期の政権維持が可能だった。佐藤政権、中曽根政権などその典型である。戦後日本の成長は、アメリカの助成が大きくものをいっているだけに、そう簡単にアメリカ追随を否定することもできない。
 
 しかし、民主党政権のように、アメリカ追随から独自色を出そうとすると短命政権に終わるのは見過ごせない。鳩山内閣の崩壊、小沢氏の失脚などは、独自色を出そうとしたためと思われる。アメリカに異論を唱えようとしない安倍内閣は、そこらをしっかり学んだ結果のような気もする。せっかく政権交代可能なように小選挙区制に改めたのに、安倍政権の出現で,執行部が独裁を生みやすい弊害のみが目立ち始めている。

 安倍スキャンダルをどんなに暴き立てても、しっかりした野党が現れず、安倍内閣がアメリカにひれ伏している限り、安倍政権は揺るがないだろう。戦後70年、日本国民はアメリカに飼い慣らされ、アメリカの一つの州かと思わせるほどになってしまった。国民の心の中には、アメリカに任せていれば全てうまくいく、といった神話が根付き始めているのではないのか。こんな日本の現状では、安倍内閣がどんな無謀なことをしても、首相交代とはなりそうもない。