中国との軋轢、外務大臣が否定2021年01月21日 16:48

 ブラジルメディアによると、アラウジョ外務大臣は20日、「新型コロナワクチンの活性医薬品成分や製造済みワクチンの中国とインドからの輸入が遅れているのは、政治的および外交上の問題ではない」と否定しました。 しかし、外務大臣は、活性医薬品成分やワクチンがいつ到着するかについての言明は避けました。

 活性医薬品成分はワクチン「コロナバック」を製造する上で不可欠の材料で、中国から輸入されます。ところが2回目以降の輸入が中国側の輸出書類作成の遅れで停止したままです。またインドから輸入予定の「オックスフォードワクチン」の輸入も滞っています。この遅れの原因はブラジル政府の外交上の不手際にあるのではないかと指摘され、外務大臣は否定しました。

 国立健康監視庁(アンビサ)は「オックスフォードワクチン」「コロナバック」両ワクチンの緊急使用を承認し、国家免疫プログラムがスタートしています。しかし中国やインドからの輸入が遅れ、国内での製造も遅れ始めています。このままでは国の接種計画に支障が起き、最悪の場合は計画が中断されかねません。すでに「オックスフォードワクチン」を担当しているフィオクルスはワクチンの配布が2月から3月へ遅れると発表しています。

 中国からの輸入停滞で外務大臣は「政治的、外交的性質の問題ではない。世界でワクチン需要が高まっているため、我々が受け取るものが遅れているに過ぎない」と弁明していますが、外交筋は「ボルソナロ政権の姿勢が中国を刺激、貿易手続きの遅れの一因になっている」と指摘しています。