サンパウロ州も医療逼迫2021年03月11日 13:15

 ブラジルのメディアの報道によると、サンパウロ州では患者約2000人が入院を待っています。このため州政府は10日、新規にベッドを338増床するとしています。しかし、患者、特に深刻な状態の患者の治療は日に日に困難をましています。

 2000人中1,930人が新型コロナの感染者で、空きベッドを待っている患者の700人がICUを必要としています。サンパウロ市に限っても250人が待機しています。

 サンパウロ南部の市立病院の保健カウンセラーは、「肺の70%が損傷し、救急治療室での治療が必要な患者も治療を施せない状態」と話しています。

 サンパウロ大学病院の医師は「入院待ちの患者全てが新型コロナに感染しているわけではないが、近隣の病院も混雑し、医療を必要とする患者が急増している。現状では患者全員の治療が難しくなっている」と、医療逼迫の現状を説明しています。

 スペース不足で待っているはずの患者が帰宅し、転院する予定だった患者も転院できず、患者の中には合併症を起こし死亡するケースもあります。死亡者の増加は、こうしたところに起因していると言います。サンパウロ州はここまで悲惨な状況になりました。