市長選に出馬予定の記者が射殺される2023年12月29日 18:55

 ブラジルのメディアによると、レポーターで市長選に出馬予定だったチアゴ・ロドリゲスさん(34)が28日、サンパウロ海岸のグアルジャ市でパーティー出席中に呼び出され、射殺されました。射殺犯は白いマスク、帽子、Tシャツ、ズボン姿で、そのまま逃亡しました。

 警察の調べによると、チアゴさんはパーティに参加していて呼び出され、身元が不明の友人に付き添われて会場を出ました。 彼が会場側の道路に到着すると自転車に乗った人間が近づいてきて発砲しました。遺体は9発の弾丸を被弾していました。

 チアゴさんはフリーのジャーナリストで、9日前にコメディアンのレオ・リンズ氏が市内で起きた「政治的殺人」について言及するビデオを公開していました。そのビデオは「グアルジャは人が殺されたり、権力闘争が起きたり、妻が巻き込まれたり、まるで『ゲーム・オブ・スローンズ』(ドラマのタイトルで、王座を巡るゲームといった意味)のようだ」と指摘する同市の政治情勢を批判するものでした。

 リンス氏は以前、同市役所を皮肉るビデオを公開したことがあり、その直後に市営の劇場で予定していた公演がキャンセルされたことがあります。リンス氏は検閲の可能性について言及、これにグアルジャ市文化局は「電気設備に問題が発見されたたtめだ」と反論、論争が行われたことがありました。

 一方、射殺されたチアゴさんも、数人の政治家や企業の名前を挙げ、公共交通機関、医療、政治などの分野に関連した不正行為を非難していました。同市のスマン市長が選出以来、市の監視を続け、ソウシャルメディアで公開していました。チアゴさんとリンス氏は同市に対する批判者でした。

 チアゴさんはソーシャルネットワーク上で「公共部門を合理化し、人々の生活を改善する事業に投資するために不必要な経費を削減する。そのために手当を削減し、アウトソーシングと企業のカルテルに終止符を打つ」と書き、次期市長選への出馬を表明していました。