選挙改革法案が下院を通過2023年09月15日 11:33

 ブラジルのメディアによると、下院は14日、選挙改革の2つの法案を承認しました。この法案は、説明責任や選挙資格の喪失に関する規定の変更、政党に課せられた女性の選挙参加枠の緩和、選挙当日の公共交通機関の無料利用などが盛り込まれています。

 この法案は上院に回されますが、政治アナリストたちは、「今回の選挙改革は政党や候補者の行動規制をあまりにも緩和しすぎる」と批判的に見ています。

 議会は10月初旬までに選挙規則変更の採決を行うべく動いています。これが2024年の選挙で有効となるためには、10月6日までに下院と上院で承認され、ルーラ大統領の裁可が必要なためです。

 同法案では、マネーロンダリングや麻薬取引などの一般的な犯罪で有罪判決を受けた政治家の不適格期間が短縮されます。現在、刑期中および刑期終了後8年間は資格回復は認められませんが、それが有罪判決を受けた日から8年間に変更されます。つまり失職から8年間だけで資格が認められます。

 この他、政党のためにという但し書きがあるものの、政党資金を自動車、ボート、航空機の購入やレンタル、燃料やメンテナンスに党費を使用することを認めており、公的資金の流用が問題になる可能性もあります。

 また、政党は選挙資金と政党資金の少なくとも30%を女性候補者に割り当てなければなりませんが、今回の改正ではそれらの資金を男性候補に流用する道が開かれています。