連邦警察が武器密輸組織を解体2023年12月11日 14:14

 連邦警察は5日、ブラジル最大の犯罪組織に重火器を供給していた国際的な武器密輸組織を解体に追い込みました。ブラジルのメディアによると、武器はヨーロッパ諸国からパラグアイ経由でブラジルに運ばれていました。連邦警察はパラグアイ政府、アメリカ政府と共同作戦を展開、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル3カ国で16人を逮捕しました。

 武器密売の背後で蠢いていたのはパラグアイの武器商人で売り手のディリシオ(49歳)、買い手がリオデジャネイロ出身の麻薬密売人フィリップ(36歳)でした。2人は今回の捜査でも網にかからず、逃走中です。

 パラグアイ検察庁によると、ディリシオはパラグアイで合法的な武器販売会社を経営し、ヨーロッパから武器を輸入し、パラグアイの軍や警察に装備品を納入していたまともな会社でした。しかし、ブラジル連邦警察によると、ディリシオは裏の顔を持ち、南米の違法な銃器市場で中心的な存在でした。

 ディリシオは闇市場に何千丁もの銃器を流し、ブラジルの犯罪組織が武装するのに手を貸していました。調べによると、ディリシオは3年間で東欧から4万丁以上の武器を輸入し密売したと見られています。

 ディリシオが闇市場に流した武器を購入したのは、ブラジルで最大組織を誇る麻薬組織のボス、フィリップでした。彼は大口径の武器を好んで購入していました。麻薬組織を牛耳る彼の生活は派手で、脂肪吸引、植毛、歯のホワイトニングなどを好んで行っていたと言います。

 連邦警察の今回捜査は、3年前のバイーア州での拳銃とライフルの押収から始まりました。武器商人ディリシオはこれまでに10億レアルを売り上げたと推定されています。

 ディリシオはパラグアイ空軍の幹部を賄賂で籠絡することで、武器密輸入を監視の目を逃れていました。軍高官は大規模操作が行われた翌6日、パラグアイ当局に自首しています。