省庁再編案の採決延期2023年05月31日 19:04

 ブラジルのメディアによると、下院本会議は30日、ルーラ大統領が提出した省庁を再編成する暫定措置の採決をせず、31日に持ち越しました。大統領は1月に新たな省庁を創設し、各省庁の組織と職務を再分配する暫定措置を発表していました。

 暫定措置は提案されてから120日以内に議会で承認されないと、廃案になってしまいます。大統領府は、暫定措置の採決は30日に行われると予測していましたが、議会での採決は延期になりました。このため、2日午前0時までに採決されなければ、政府組織はボルソナロ前大統領時代の体制に戻ることになります。

 下院のリラ議長は「30日は時間が遅くなり、採決できなかった。31日午前11時から投票を行う」と話しています。議会筋は、政府がこの日に採決を強行した場合、議員への根回しが不十分で、敗北する可能性があったと見ています。

 24日の暫定措置を討議する混合委員会で否決されたため、政府は①先住民の土地の認識と区画整理の権限を先住民省から司法省に移す②農村環境促進を環境省から経営・革新省へ移す③国立水・基礎衛生庁経営を環境省から地域開発省に移す、という修正に応じていました。

 この修正に環境相や先住民担当相は反対していますが、政府は修正文案を守ると述べ、31日の採決を目指しています。