黒人議員が少ないブラジル2024年03月26日 19:12

 ブラジルのメディアによると、2023年8月、21人の黒人上院議員(黒人および褐色)が就任しました。これは81人の議員で構成される上院の構成比の26%でしかありません。国勢調査ではブラジル人の 55% (1億1,280 万人)、つまり人口の半分以上が褐色と黒人で占められているのに対し、黒人議員の割合は低いというべきでしょう。

 上院は25日、創立200周年を迎えました。過去10年間で黒人が占めた議席の割合は22%にすぎません。統一黒人運動全国調整担当のシモーネ・ナシメントさんは、「現在の選挙形式ではより重要な条件を備えた候補者が有利であり、このためこうした階層構造が何世紀にもわたって再生産され続けてきた」と指摘します。

 続けて彼女は、「専門分野や政治分野においても、大学における人種割り当てのような黒人の代表を拡大する法律を設け、人種平等を促進することを目的とした教育を充実すべきだ」と主張しています。

 ブラジルの黒人運動のリーダー、ナシメントさん(2011年に97歳で死亡)は、奴隷制度廃止110周年の演説で、奴隷制度廃止後の黒人への支援の欠如を強調しました。彼は「黒人は奴隷からスラム街の住人、ストリートチルドレンになり、警察の暴力の犠牲者になり、司法や労働市場の分野で差別され、自分たちの価値観、宗教、文化を否定された」と述べています。

 現在、上院ではベネディータ・ダ・シルバ氏とマリーナ・シルバ氏という2人の黒人女性が活動しています。