ブラジル望遠

　ブラジルのメディアによると、ボルソナロ前大統領は25日、サンパウロ市のパウリスタ通りで行った演説で、「クーデター未遂事件はなかった」と強調、連邦警察の同氏に対する捜査を不当と批判しました。サンパウロ大学の調査によると、この集会には最高潮時に18万5千人が集まりました。

　集会はボルソナロ氏の呼びかけで行われ、ミシェル前大統領夫人、マラファイア牧師、サンパウロ州のタルジシオ知事、上下院議員らも参加、ボルソナロ氏の政治力が継続していることをアピールしました。前大統領は演説で「捜査は政治的迫害」とも指摘、「クーデターは戦車や兵器で行われるもので、そういったものは使用されていない」と強調しました。

　メディアは、ボルソナロ氏の政治団体は前大統領が守勢に立たされているにもかかわらず、依然として政治的に関与する能力があり、「大統領は何万人もの国民を率いて行動を起こすことができる」というメッセージを送ることが狙いだったとしています。

　ボルソナロ氏の動きにメディアは、「それだけ彼は追い詰められている」と見ています。メディアは「現代世界におけるクーデター未遂は戦車を使わなくても、ソーシャルネットワーク上の操作でさえ発生する」と解説し、1月の議会、連邦最高裁判所、プラナルト宮殿への侵入は深刻なもので、専門的かつ系統的に行われていた。結集した人々は自分たちが何をしているのかを知っていた、と指摘しています。