ブラジル望遠

　サンパウロ市民警察は15日、犯罪組織の手先として『恋愛詐欺」をしていた女性2人を逮捕しました。市民警察はこの逮捕で3年間で52人の女性を逮捕したことになります。ブラジルのメディアは、サンパウロ大都市圏で「恋愛詐欺」に引っかかった男性は168人に上ると報じています。

　詐欺犯の女性たちは、犯罪組織が男性を誘拐し、恐喝するのに利用されていました。女性たちは2021年には6人、2022年に19人、2023年は25人が逮捕、拘束されています。

　被害男性たちは出会い系サイトで女性とデートを約束、約束の場所やそこ行く途中で武装したで犯罪組織の男に襲われ、誘拐、監禁されました。被害者は指定の口座に現金が振り込まれるまで、あるいは口座のパスワードを話すまで拘束され続けました。

　最初、犯罪者たちは女性を使わず彼ら自身が町中で写した女性の写真を使って出会い系サイトに投稿、デート相手を募っていました。しかし多くの男たちが「恋愛詐欺」に気づき始めたため、犯罪者たちは実在の女性を手先に使い始めました。警察によると、犯罪者たちは妻、ガールフレンド、友人を「騙した男性たちから盗んだ金の一部を支払う」ことを条件に「恋愛詐欺」に誘うこともあったと言います。

　警察が押収した女性の携帯電話から、「恋愛詐欺」の一端が明らかになっています。そこにはターゲットにする男のリストがあり、実際に被害にあった50歳の実業家の名前もありました。彼は初めは22歳の女性と会い、その女性は20歳の女性も会いたがっていると告げ、彼は了承しましたが、20歳の女性は犯罪組織の男と絶えず連絡を取っており、彼が落ち合う場所に着くと同時に犯罪組織の男も3人現れたと言います。

　詐欺犯を操った犯罪組織は男ばかりで、詐欺実行犯の女性たちの逮捕と同時に、犯罪組織の男460人も逮捕されています。彼らは誘拐、恐喝、傷害、拷問の罪でも起訴されています。