ブラジル望遠

　ブラジルのメディアによると、ルーラ大統領は20日、女性が警察当局に苦情を申し立てた瞬間に緊急保護措置を認めることを目的とした「マリア・ダ・ペーニャ法」の改正案を承認しました。これで被害者、その扶養家族に危険が及ぶ場合は、告訴や裁判の有無にかかわらず、保護が認められます。

　この法案は、2022年に当時のシモーネ・テベト上院議員が提案し、先月下院を通過しました。緊急保護措置は、被害者、その扶養家族の身体的、心理的、性的、愛護的、道徳的に危険がある場合に適用され、保護措置はその危険が続いている間、有効です。

　この法改正により、「原因や動機、加害者や被害者の状態にかかわらず、家庭内暴力や家族内暴力のすべてのケース」で同法が適用されます。

　ブラジルでは2022年、女性殺人の記録を更新、6時間に1人の女性が殺害されました。こうした状況からルーラ大統領は、女性警察署の24時間運用とセクハラ撲滅計画を承認していました。これに緊急保護措置「マリア・ダ・ペーニャ法」が新たに加わることになります。