ブラジル政府、外国人旅行者倍増を計画2019年05月21日 10:28

 有名なビーチや山々、世界最大の熱帯雨林を抱えるブラジルを訪れる外国人は、フランス・パリ市の観光名所の一つ、ルーヴル美術館を訪れる外国人よりも少ないのが現状です。18年1年間にルーヴル美術館を訪れた外国人は760万人、ブラジルを訪れた外国人は660万人でした。

 19日付伯字紙によると、政府は15日、「国家観光プラン 2018-2022」を発表、観光客増の政策に取り組み始めました。「国家観光プラン」の策定で政府は、外国からの訪問客を22年までに2倍近い1200万人を目標にしています。

 国連の世界観光機関によれば、近年の南米大陸外国人旅行者の増加率は、16年6.3%、17年8.4%でした。ブラジルの外国人旅行者増加率は、16年4.5%、17年0.6%といずれも南米全体の平均を下回り、18年も0.5%の増加に止まりました。ちなみに、18年のペルー訪問外国人旅行者は前年に比べて10.0%増加、アルゼンチンは7.5%増加しています。

 専門家は訪問客が増加しない理由を,国内交通網の未整備、観光情報開示の不足、観光サービスの質の低さといった点を挙げています。肝心の治安の悪さについては言及されていません。危険度の高い国をわざわざ訪問する外国人は少ないと思われますが、ブラジルの観光専門家は気にならないようです。ブラジル好きが外部から見ていると、観光客が少ない第一の原因は治安の悪さと思われるのですが……。